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パラレスワールド その2

くーるんさんのコメントを受けて、ふたりの出会いのシーンを考えてみた。


九里莉。学校からの帰り道。
住宅街と公園の間のとおりを通って家に向かう。
公園の緑の切れ間にひっそりたたずむおしゃれなカフェ。
「こんなところにこんな店あったかしら。。いけない、いけない、早く帰らなくちゃいけないんだけれど・・」
九里莉はひとりごちる。ほんとは、家への足取りは重い。今日は家に母親が待っているのだ。
(別居中の両親、お互いの家を交互に住み込んで暮らしていた九里莉。しかし父親の海外転勤が決まり、どちらと暮らすのか、最終的には九里莉の選択に任された。家に帰ればその選択の答えが求められている。という設定が後になってわかる)
一度は足をとめ店に体を向けたものの、ぶるんぶるんと首を3回振り切り、また家への方向に一歩踏み出した・・・。

「あれ、私、結局店に入ってる。えへっ」
4人がけのテーブルにひとり座り、メニューを眺めている自分がいた。うわー、このドリンクおいしそー。目移りしながらも、店のスペシャルを頼む九里莉。そのときテーブルの斜め前に立つ影。
「合席、よろしくて?」
そう尋ねてきたものの、私の同意も聞かないまま対角線上の席に座る彼女。黒尽くめで、ゴスロリというほどの派手な衣装ではないものの、流れる髪の毛をツインテールに結んだ大きなリボンと、大きな瞳が人目を惹かずにはいられない。でもなによりも驚いたのが、店の中はがらがらなのに、彼女がよりによって私のテーブルの合席を選んだことだ。九里莉が目をぱちくりさせてると、彼女はこう言った。「あいにく、私の世界では、空いてる席はここだけなのよ」

なんとなく居心地が悪いまま、九里莉はグラスのスプーンで氷をかきまわしてみたり、メニューを暗記するかのように眺めていた。黒の彼女はその間、時間が止まったかのようにじっと自分の手帳をながめたまま動かなかった。(ほんとは魔子は、人見知りするので、なかなか話しだせないのだ)10分かそこら、いや九里莉にはもっと長い時間にさえ感じたのだけれど、魔子がじっと九里莉を見つめた。
九里莉が思わず目をそらしたとき、気づくとまわりのテーブルにも客が埋まってきていた。
「あれ、いつのまに混んできたんだろう?」
たいていは一人で静かにコーヒーや紅茶を飲む客であり、大きなテーブルでは互いに合席することになっても、店の落ち着いた雰囲気を十分味わえる。そのとき魔子がようやく口を開いた。
「やっぱりあなたにはわかるんだ。ふつうの人は気がつかないんだけれど」
なんのことかわからず九里莉は魔子を見つめる。
「ひとつ、ゲームをしていいかな」
そういうと魔子は自分のグラスの下の黒いコースターをはずし、九里莉のグラスの下にあった茶のコースターも外して2枚手にした。
魔子は2枚をしばらく見比べていたけれど、やがて1枚を九里莉に渡してこう言った。「この1枚を右手に持ってこうかざしてちょうだい」 そして魔子はもう一枚の方を九里莉にはっきり見えるように親指と人差し指に挟み目の前に掲げた。九里莉も言われるがまま、魔子と同じようなポーズを取った。
ふたりが茶と黒のコースターを掲げたところで魔子が九里莉に尋ねる。「さてあなたが持っているコースターは黒か茶のどっち?」
その当たり前の質問の意図もわからず九里莉は、茶です、と答える。
「ほんと?」
九里莉は上目遣いで不審そうに魔子をじっとみていたが、手元を見てあわててコースターをテーブルに落としてしまった。テーブルの上には、黒のコースターが転がった。
「マジック?なの?」
「マジックといえばマジックに違いないわね。でもこれでもっと驚くことがあるのよ。普通の人は、コースターが入れ替わったことに気がつかない。最初から黒いコースターを持っていたものだと思うはず。だってその世界を私が選んだのだから。最初に茶のコースターを持っていたことの記憶を持っているあなた、あなたもまた魔女だってことなの」

----
魔子は、選択した世界の一方に集約するからくりをある程度わかり、同じ能力を九里莉も持っていること、お互いが干渉しあっていることを知っていて、九里莉に近づいた、という出会いのシーンを考えてみた。
さて、その能力の制約事項、魔女のルールを考えなくちゃいけないなぁ。

魔女は:
二つの選択肢のどちらを選んだ場合の結果(世界)も知ることができる
結果を知ったらどちらかの世界に統合しなければならない
途中経過を知る、ということはできない(統合せずに2つの世界は継続できない)
ふたつの世界に分けるためには「マーキング」(呪文)が必要。(子供のときに無意識にやっていることがあり、運の強い子としてラッキーを享受してきた)
もう一方の結果を知りたいと意識的に願うことによって(これも呪文だね)、もうひとつの世界を知ることができる。どちらかの世界の自分の一方がそう願えばいい。つまり自分が願わなくても、もうひとりの自分から招集がかかることがあるわけだ。
1ヶ月以上たつと集約は不可能。もう一方の世界を知ろうとしても知ることができない。この場合、もう一人のいる世界は存在しているのか、していないのかは謎。解明されていない。
(ラストに九里莉と魔子がお互いを知らなかった世界に戻るので、このお話は1ヶ月以内の話となる)
二つの世界の自分がひとつとなり、どちらの世界の記憶も脳内に流れてくる。その時間は1分~10分程度。その間にどちらの世界を選択するか決めなければならない。1~10分たったあとは、選んだ世界の記憶しか残らない。
ただしその1~10分の間に、記憶を文章などで記録して残しておくことはできる。だからその記録から選ばなかったときの結末を知ることができる。
世界の分岐中に、さらに分岐(マーキング)しようとした場合は、元の二重世界はひとつに集約される。分岐の分岐を作ることはできない。

こんな感じかなぁ。
あとルーレットのような赤黒のギャンブルの場合、この能力があれば常勝できてしまうわけだけれど、これについては一定の歯止めをかけるようなルールを作りたいと思うのだけれど、なんかいいルールはないかなぁ。

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またーりレス(^^;。

魔子すっかりお姉ちゃんキャラですね。なんだか楽しい。
一つの話を二人であれこれ考えるのってこうして改めて見ると面白いですね。同じ出会いのシチュエーションでもろりくらさんの考える出会いとわたしの考えた場面を見比べると自分の考え方とかに気付かされたりとか楽しい。

こちらで考えた出会いシチュでは、二人はあるゲームのイベントで出会うとか、そんなものでした。メタ小説のような展開ですが、パラレルワールドを扱っているゲームの発売イベント。魔子はそういう趣味だから(ヒキコモリだけれど)無理をしてそういうイベントにも足を運んでいるわけだけれど、九里莉はどうかな?家に帰るのを無意識に避けるかのようにあれこれ寄り道しているうちにそのイベントに迷い込んだ。
結構な人もいる場所で盛り上がっているさなか、ある事故が起こる。その事故を回避しようとして不意に"選択"が発生し、世界が変わる。その世界の変容にびっくりする当事者。しかし、誰もそのことには気付かない。そして、そのことに気が付いている人を見つける。それがこの二人だった。

私自身素人なので、話の創り方やり方とかそんなのはわかりませんが、自分が妄想をする際にはそのほうがやりやすいので、なるべくキャラたちが自然に行動できるようにと、考えたりします。このシーンでは、初対面の二人が話しかけるための強い動機を、と考えてしまっていました。(特に魔子はあんなキャラにしてしまったのでw)
逆に九里莉側のことはあんまり考えていなかったので、この後二人が絡んでどう話を展開していくのかを考えるのも楽しそうです。
この先の展開を考えやすくするには、と考えて、二人ともこの"魔女の選択"についての知識は皆無としてお互いの今までいた世界の違いを話し合って認識したり、報告しあったり、あるいは時には実際に能力を使ってみたりして試すという展開はどうだろう?と考えました。それこそ、毎日放課後に待ち合わせをして、話し合う、まるで友達同士が放課後学校をひけて遊びにいくような感覚で。
※この場合、毎日九里莉は両親への回答を遅らせるという"選択"を行う、とか。(ザ・先送り!)

一方、能力について魔子がある程度の経験を持っているという展開もやはり"あり"です。魔女の能力を自然に説明するために二人以外の能力者、しかもこの能力についての知識をもっているという設定のサブキャラについても考えてみました。が、それも話が発散してしまいそうになったため、冒頭のゲームっていうのを持ってきました。
魔子がイベントにまでやってきたゲームはロールプレイングの要素をもったアドベンチャーゲームで現代を舞台にパラレルワールドを能力を使って行き来する主人公たちの物語。その第2弾の発売イベントということで、まず世界の"選択"現象を魔子得意の妄想能力でこのゲームの能力になぞらえて話しだします。九里莉ちゃんはそういうのには興味なさげなので、魔子がぺらぺらとまくし立てるんじゃないんでしょうか。

このゲームは実に二人が置かれている状況に対して説明的なゲームになっていて、その辺りを伏線として置けば続編の展開にも・・・あーこんなことを考えている時点でわたしはダメなわけですが(^^;)

コースターのマジック、というか種も仕掛けもない魔法、面白いですね。物語の中でコレをつかって危機を脱出するとか、そういうのにパッと出てくるというのもいいかもです。

魔女の制約事項ですが、これは逆になくてもいいのではないでしょうか。
むしろ制約がないことで、二人がこの力を使うことの恐ろしさに気が付く、というエピソードを入れてもいいかもしれません。欲望のままにつかえばとんでもないことになる、二人の良心は如何に?みたいな。

能力のルールはいい感じですね。
ただ、自然発生的に身に着けた能力ということ(?)なので、呪文というのは少し不自然な気もします。要は心のスイッチということなので、妄想暴走気味の魔子が前のゲーム中に出てくる設定をそのままつかって「呪文が必要!」ということになるというのはどうでしょう。絵的にも場面的にも呪文は見映えるし。

・・・などなどと、いつもいつも好き勝手なことばかり書いちゃってますが、案がぶつかり合っているところなど忌憚なくご意見してください・・・またーり進行ですケド:-)。

まったり進行、ぐんぐんまったり。
自分の中では、くーるんさんとのやりとりそのものが、愛の妄想メタ小説となっているようなつもりなんですよw

<出会いはスローモーション>
魔子がすでに能力についてある程度知識があった前提になっているのは、それを見つけ出すためのイベントが自分には思いつかなかったから。手抜きですねw どうも自分の妄想ってのは会話が主体で、事故やイベント、アクシデントとかってぜんぜん浮かばないんですよね。静的な世界ばかり。性的じゃないですよー。
どうやって能力についてわかったのか、というのは魔子側(くーるんさん側)にゆだねようか、などと思ってたりしましたw 新作ゲームイベントいいですねー。現実から逃げたい気持ちの九里莉が、「選ばなかった世界」とかいう言葉についふらふらと引き込まれる、って感じですかね。

<コースターのマジック>
魔法とか魔女とかいう言葉がでてきてから、ずっと「魔女狩り」って言葉が底流に流れてるんですよ。
中世ヨーロッパにおいて運が良すぎる家の女は魔女に仕立て上げられたりする、アレです。コースターのマジックは、魔女なら他の魔女を見つけることができるわけだ、なんて思ったりします。つまり第二話以降で2人以外に存在した魔女との対決で使われるのです。って、能力を持つことを知らなかった世界に戻るので、2話はないですねw

<魔女のルール、制約>
これは特に本編中に記す、というよりは、ストーリーを考えるにあたって破綻しないように(万能になりすぎないように)、設定しておくような裏設定ですね。
ギャンブルに対しては、魔子はそれを行なうことによる「魔女狩り」が怖い。九里莉は、それはズルいこと、という単純な正義感(未熟な正義感)から避けている、という漠然とした設定がいいかなぁ、と思いました。

<呪文、儀式>
呪文ってのはアブダカタブラのような言の葉の力、とかではなくて、本人の意思が必要、といった意味で使いました。世界の分離統合は、あくまでも自分の意思で行なうのであって偶発的ではないということ。だからフェアネスに対する葛藤が生まれる、という視点です。
呪文と書いたけれど、自分なりのうまくやりやすい掛け声とか儀式みたいなやつかな。「時をかける少女」アニメ映画版で真琴がタイムスリープする際に唐突に走りだす、やつみたいなもの。本当はそんなことやらなくたってできるんだけれど、どうやっていいのかわからないので、なんかがむしゃらにやってみる、みたいなやつですね。くーるんさんに呪文は文章映えすると言われて、なるほど!と納得したりしましたw 「そんなぼろっちぃぬいぐるみがなくたって世界は『分けられる』、って言ってるでしょっ!」「だって、子供の頃からこれに願ってきたんだもん」みたいなやりとりでしょうか?w

またまたーりレス(^^;。

妄想メタ小説いいですねw・・・もとい。このお話的には、ノベルならもう書き出してもいいレベルのような気がします。

<妄想の世界>
妄想の世界でキャラ会話がすすむのは上級者の証wというのは冗談ですが、いろいろ自分で考えたキャラをいろんな場所に連れて行ったらどうなるか、みたいなことを考えると楽しいかもしれません。どんな反応をとるのか、どんな行動をとるのか、みたいに。
魔子はヒキコモリですが寂しがり屋です。九里莉と仲良くなったら、いままで行きたかったけれど一人で行けなかった場所に九里莉を引っ張り出したりするのかも。メイド喫茶とか同人ショップとかコミケとか・・・。べ、べつに行きたかった訳じゃないんだからね!九里莉の勉強のために行くんだからねッ!

<魔女狩り>
これは"能力"のことがばれて謗りを受ける、ということでしょうか。チート能力ですしねw
魔子はすでに擬似的にそういう状況に置かれているので、何よりも「九里莉に嫌われる・軽蔑される」ことを恐れているってのがいいかも。もちろん本人にはその意識はなくて。「・・・そういうの、よくないと思う」「なっ!?ななによ、もちろん冗談に決まってるじゃない常考!するわけないじゃないの」とか。

これは私自身が無意識のうちに魔子視点で話を組み立てようとしているからかもしれません。

九里莉視点、わたしなりにちょっと想定してみると、友達はたくさん居るけど両親の悩みを打ち明けられるような友人はいない。とか、(魔子のように)言いにくいことをずばずばって言ってくれるタイプの人は居ない、とか、そういう世界の中で、魔子に出会って魅かれて行くとかそんな心の流れを妄想します。
両親の選択っていうのも(もちろん一緒に暮らしたいけれど)どちらかというと二人の顔色を伺って生きているというか、自分というものが表現できてない、そういう悩みっていうのがあるとか。九里莉からは魔子って悩みなく生きている、好きなように生きている、ように見えてるのかも。

魔子は魔子で、九里莉は社会に上手く適応できているように見えてる。自分の知らない普通の女の子の暮らしも持っているし。そんな普通の女の子とちょっと特別な秘密の関係になった、っていうのがきっと嬉しい。嬉しいんだけれどツンデレだから、素直にそんな風にはきっと振舞えない。

二人の関係も口では魔子が強引で九里莉はふんふんうなずいているようで、実際は九里莉はマイペースだったり、魔子はしょうがないわね!といってあわせることが多いのかもしれません。

・二人の悩み
 ↓
・出会い
 ↓
・二人の世界が広がる
 ↓
・二人の世界が壊れそうになる
 ↓
・決断と別れ
 ↓
・その後の二人

今のところこんな感じでしょうか。"二人の世界が壊れそうになる"ってパートをどう描くかってのがポイントですが、書き出しながら考え付くというのがわたしのパターンだったりします。

うーん。。。周囲に二人の能力に気づく者が現れる→能力でそれをなかったことにする→しかし結局また気づかれる→再び能力でそれをなかったことにする→・・・これを何度かループしてその度に悲惨さが増してゆくとか、そういうのか、それとも第3のキャラを投入するのか・・・。

しかし、気が付くと百合展開魔子的に。・・・うーんうーん。
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