台風の日は電車止まりまくりましたが、仕事が終わらず終電で帰れなかった自分にはなんにも関係ありませんでした。っていうか、みんな出社してこねーよ。
まぁ、そんなこんなであいかわらずムラのある仕事をしていますが、くーるんさんとの共作もまったり進めたいと思うわけですよ。
くーるんさんがすべった(?)パラレスワールドって言葉をふくらませてみました。
「パラレルワールドくらいなら聞いたことあるでしょ? すべての可能性の世界。選んだ道も選ばなかった先の道も存在する世界。」
「うん、なんとなくだけど」
あいまいな九里莉の返事に、いらだちまじりに魔子は続けた。
「世界はひとつしかないとしたら、時間に従って1本の線でしかないのだけれど、パラレルワールドは面的世界ともいって、すべての選択肢の世界があるとすると、こう扇形に世界は平面のように拡大していくわけ。」
魔子はスプーンとフォークをもったまま、弧を描いてみせた。
「でも面的世界は形而上的な概念であって、無限には空間は広げることができない。宇宙が決して『無限に広がる大宇宙』ではないようにね」
「えっ、宇宙って無限じゃないの?!」
半ば予想通りのボケを無視しながら魔子は説明を続けた。
「空間的な限界を避けるため、質量の限界とはじゃっかん違うんだけれど、似たようなものだと思ってもらっていいよ。クラインの壷って知ってる? 面がぎゅっとつぼまってきて裏と表がつながってしまう立体物」
九里莉はまったくわからないものの、聞こうという気持ちだけは示そうと、神妙に魔子の次の言葉を待っている。
「空間もそうやって集約することでつじつまを合わせようとしてる、ってのがパラレスワールド理論。ねじりながら表と裏を使ってループさせることで、一定以上の膨張を止めようとしているの」
「ああ、リバーシブルなら1枚なのに2枚のようでお得ってことねっ!」
「・・・そうね、これってエコな話だったのね。。」
正直、魔子はこうしてリアルなコミュニケーションが苦手だ。ネットなら毒舌で突っ込むところなんだろうが、迎合していいいのか無視すればよいのか、よくわからなかった。でもニコニコしてるみたいだったから、この返事でよかったのかな。
「まぁともかく、あなたとわたし、あなたが表ならわたしが裏の世界の住人。二人の『魔女』が手を組むと、その集約をコントロールできるってわけ。選択した世界と選択しなかった世界を同じ世界に共有することができる。具体的に言えばそうね、ランチにカレーとラーメン、どっちを選んだ自分も共感することができるようになるわけ」
「そ、それはっ! ブラボーーー、らぶらぶフラシーボ!」
「・・・びっくりするから、いきなり立ち上がらないでよっ。それに、意味わからないくせに、微妙に本質をついた単語混ぜないで。。」
悩んでいた2つの選択肢を両方選ぶことができる。でもほんとのところ、悩みってのは、どちらも選びたくない自分がいるから迷うもの。九里莉(名前変えましたw)は避けてきていた悩みをこれでいっきに解決しようと計画するのだが、しかし現実は彼女がどうもがこうと、結局は選択せざるえないのだった。
みたいなストーリーを考えようと思ってるんだけれど、なかなかドラマチックな悩みが思いつかない。