「ミネザワくんに、アバター合わせ、申し込んでみた」
りっちゃんは体育着の袖を抜きながらミコにそう言った。3限の授業が終わって更衣室でみんなが着替えてるときのことだ。
「ちょっ、待ってよ、アバター合わせって、あんたたちまだ付き合ってさえいないじゃないっ!」
「だって、もし付き合うことになったら、きっとやってみると思うんだ。で、そのときになって初めて相性が合わないとか、過去に二人が犬猿の仲だった、なんてことになったらイヤじゃない」
「そういう問題じゃないでしょっ。記憶、変わっちゃうかもしんないんだよ、傷つくのは女子なんだから。それにそういうのは女の子から言うもんじゃないでしょ」
「ミコって、みかけによらず古風だよね」
りっちゃんは鼻でクスッと笑ってそう答えた。
さて一向に暇にならないけれども、一方でちょっと先が見えた途端に仕事の手が止まってしまった。風邪気味だってのもあるけれど、気持ちの糸が切れたんだろうなぁ。仕事が手につかない。そんなときは物語を考えるですよw
冒頭のプロット。アバターをかけあわせること。町の裏通り、ちょっと連れ込み風の建物の中で行われる恋人同士の秘め事みたいなもの。ロスチルの彼女たちにしてみれば、セックスに似ていて、好きな人と過去を合わせてふたりの気持ちをつなぎ合わせること。けれどもそれによって記憶(アバター)が変わってしまうこともあり、バージニティをもった儀式でもある。
そんなイベントを想像してみました。
ロスチルたちの幇の支配ってのは、畏怖だけじゃなくて尊敬と憧れも必要だと思う。アバターをイメージ化するイメージブースターの技術を独占して、もっとも重要な収入源としており、その羽振りの良さも幇の魅力のひとつだと思う。アバターバトルも、興行のひとつになってる。